「
それでも町は廻っている」がまさかの
アニメ化!いまだに信じられない亜呂真です。
通称「それ町」は、丸子町商店街のメイド喫茶「シーサイド」を中心に繰り広げられる日常物語。あ、メイド喫茶つっても「おかえりなさいませ、ご主人さま」とかじゃないんで。「
めいど!」とかだから。まぁ、歩鳥やタッツンには萌えっぱなしですけどな。
高校生でシーサイドでバイトしている嵐山歩鳥が主人公。歩鳥とゆかいな友達とゆかいな商店街の人たちがゆかいげに繰り広げるわけなんだけど、この作品は
次のコマ、次のページをめくるのが本当に楽しい!歩鳥は推理小説が大好きな設定なんだけど、それ町の物語の組み立て方がちょうどそんな感じなんですよ。「イベント(ハプニング)発生→ドタバタ→解決編」といった具合。ハプニングもすごく規模の小さい「あるある」な感じなんだけど、それが思いがけないところに行ったり来たり戻ったりする過程と結末が実に面白いんだなー。
たとえば、1巻のお気に入りのエピソード。タッツンが映画の試写会を真田に誘う話。
タッツンってのは、歩鳥の友達でシーサイドでバイトしている辰野俊子。歩鳥に振り回されながらも、だんだんその扱いとツッコミが板について来た美人さんです。ちなみに”タッツン”ってのは歩鳥がノリで付けたあだ名です。彼女は、歩鳥の幼馴染の真田広章クンに思いを寄せてるんです。

試写会のチケットを当て、真田君を誘うつもりのタッツン。

しかし恥ずかしがって誘えない!あーかわいいなちきしょう!!
ここまではよくある展開。ベタベタです。
で、最終的にどうなったのか!?勇気を振り絞って渡したの?渡せずに泣き寝入り?
いえいえ、最後はこんな感じで終わるのです。

なんとチケットを歩鳥にあげてしまうのです。タッツン何やってんの!?いえいえ、違うのです。タッツンは歩鳥にチケットをあげることによって、
バイト先のシーサイドで真田君との二人っきりをゲットしたのですよ!
見てください、このタッツンの表情。ああ、かわいいわ・・・。
こほん。
また、読者に向けた謎解きのような演出も石黒先生ならでは。
最新7巻51話の始まり方。

突然なんのこっちゃ?と思ってページをめくると・・・

実は歩鳥に野球のルールのことを説明していたんですね。前のコマは野球をゲームに見立てた例え話。思わず戻って確認しちゃったよ。こーゆー発想ができる石黒先生ってすげーって思います。いやマジで。
そしてもう一つ、「それ町」の魅力は
キャラクターのリアルな仕草や言葉遣い。同じくこの7巻で個人的にえらくツボだったのがこのコマ。

左の子の「
サンクス」っていう言葉遣い。何かいかにもこの子が発しそうな言葉で噴き出してしまったよ。この子はこのコマ限りのモブキャラなんだけど、たったこれだけでキャラ立ちしたような気さえするわ。
そして歩鳥。

「ゆべし!」とかこけたときにフツー言わねーし。でも歩鳥ならいかにも言いそうな・・・。何気なく飛び出す言葉の豊かさが、この作品の登場人物のキャラの個性や魅力をより一層引き立たせているような気がします。
なんだかいつも以上に長々と書いてしまいましたが、とにかくこんな「それ町」が、歩鳥が、タッツンが、商店街の住人たちが、ついに動いちゃうんですよ!漫画の良さを生かしつつ、生き生きした丸子町商店街の人たちを見られるのを楽しみにしたいと思います。
(文/写真・本文では書きそびれましたがエビちゃんもかわいいよね!亜呂真)